文教地区に指定された穏やかな街【国立】で、大人のゆったりさんぽ

「新宿」からJR中央線で約30分。文教地区に指定されている「国立(くにたち)」は、一橋大学をはじめ、桐朋学園(小中高)、国立音学大学附属(幼小中高)など多くの学校があり、アカデミックな雰囲気が漂う穏やかな街。そして今、おさんぽ好きの間で「国立」は、カフェや雑貨屋さんなど小さくてセンスの良いお店が沢山あると、ひそかに話題になっています。今回のおさんぽは、緑豊かな街並みに癒されながら、手仕事にこだわったアイテムを探しにいきます。ひとつひとつのお店はちょっと距離が離れているので、スニーカーマストで出かけてくださいね♪
*文教地区とは、教育施設が多く集まっていて、教育上好ましくないとされる業種の建築物が制限されている地区のこと。

今回のおさんぽルート

国立駅南口→①一橋大学 国立キャンパス→②甘味ゆい→③世界のかご カゴアミドリ→④circus→⑤黄色い鳥器店→国立駅北口

行程:3.9km
歩数:5,284歩
所要時間:48分+お茶、ランチ、お買い物
予算:4,000円

アカデミックな街「国立」のシンボル的存在“一橋大学”に寄り道

JR「国立駅」南口を降りると、まっすぐと伸びる約1.3㎞続く並木道。およそ200本の桜の木が植えられていて、春はお花見の名所に、秋は紅葉も楽しめると知り、それぞれの時期は圧巻だろうな~と思いつつ、取材時の初夏の新緑もとっても気持ち良く、さわやかな気分でおさんぽスタート♪

”左上/高いビルが少ないので空が広く感じられます!
右上/教育施設が多く集まる「文教地区」に、東京で初めて指定されたのが国立市だそう。
左下/“大学通り”という名前がついていた並木道。鉛筆型の看板が知的な街を物語っています。
右下/フランスから直輸入したリンツ社製の街灯が並び、ヨーロッパのような雰囲気です。”

大学通りにはいたるところにベンチが設置してあり、ご高齢の方が本を読んでいたり、買い物客が一休みしていたりと、思い思いに過ごしていました。

”左/ベンチでゆったり過ごす親子の姿もあちこちで見られてほっこり♡
右/市民の方がベンチを寄贈する取り組みも行われています。寄贈者の名前とメッセージが刻まれているので、それを読んでまわるのも楽しいですよ♪”

国立のメインストリート、“大学通り”では雑貨屋「George’s」や、スーパーの「紀ノ国屋」を発見! おしゃれなお店を横目にしながら進んでいくと、駅から7分ほどにある“一橋大学 国立キャンパス”に到着。せっかくなので学内を散策してみました♪

”上/キャンパスへは西門から入りました。一般の人も出入りできますが、建物内には入らない、大きな声や音は出さないなど、マナーを守っておさんぽしましょう。
下/広々として風格のあるキャンパス!奥に見えるのは図書館です。”
”名建築として有名な兼松講堂。こんな大学に通いたかった~!と、憧れがつのります。”

緑豊かなキャンパスで森林浴をしつつ、建築家“伊藤忠太”設計の素敵な建物を見て回っていたら、あっという間に時間が過ぎてしまいました💦
喉も渇いてきたので、国立で評判のかき氷屋さんがあることを思い出し、早速向かいます!

一橋大学 国立キャンパス
東京都国立市中2-1
一橋大学 個人での自由見学について
http://www.hit-u.ac.jp/admission/events/campus_tour.html

涼を求めて、手作りシロップが絶品のかき氷屋さんへ

一橋大学の脇を通り、富士見通りを進んでいくと、斜め右にお目当ての「甘味ゆい」はあります。以前は夏季限定でかき氷を出していたそうですが、今は一年を通して楽しめるそう。日本各地から取り寄せた生の果物など、素材にこだわって手作りされているシロップが大好評で、夏は連日行列の人気店!たまたま空いていた席に運よく滑り込むことができました♪

”左上/一見レストランのような、シックな濃紺の外壁が目印。
右上/店内には自家製のジャムも売っていました。
下/カウンター席とテーブル席、合わせて10席ほどのこじんまりとしたお店。ジャズが流れていましたよ♪”

メニューは10種類ほどで、半分は日替わりの限定メニュー。この日は「すもも(山梨)小サイズのみ(税込700円)」、「新しょうが(和歌山)小サイズのみ(税込700円)」など、珍しくて気になるラインナップでしたが、初訪問なので定番の「抹茶あずきミルク(税込940円)」をオーダー!

”日本の夏を感じる、色味も美しい「抹茶あずきミルク」。お店で炊き上げる北海道産の小豆は優しい味わいです。”

抹茶は注文してから茶筅でたてたものをかけてくれるので、香りも良い本格派! ふわふわとシャキシャキのちょうど良いバランスのかき氷を、あっという間に完食してしまいました。

甘味ゆい

東京都国立市西2-19-12
☎︎042・505・6210
営業時間
11:00~17:30(L.O.17:00)
定休日 月火
 http://taiyakiyayui.jugem.jp/

🐾

さっき歩いてきた富士見通りを少し戻ると、焼き菓子&シフォンケーキで有名な菓子屋さん「フードムード」があります。お茶したい気分はやまやまですが、かき氷でお腹が満たされているので、お土産にクッキーを買ってお店をあとにしました。

”左/料理家・なかしましほさんのお店。お店の看板もかわいいですね!
右/お土産に買ったピーナッツバタークッキー。サクサクで美味!”

3かご好きの聖地! 各地から集まったかごの専門店「世界のかご カゴアミドリ」

お土産にクッキーを買った「フードムード」と同じ建物に、何やらかわいい看板を発見!
早速2階へ上がってみましょう!!「世界のかご」とあるように、店内にはかごがいっぱい! かご好きとしては夢のような空間が広がっています。

”小さな看板なので、見逃さないで。右上には店内で開かれている企画展の案内がありました。”
”かごといっても形や雰囲気はさまざまで目移りしてしまいます。”

かごというとなんとなく東南アジアのイメージでしたが「もともとプラスチックなどの加工品ができる前は、かごは世界中で人々の暮らしに欠かせない存在だったんですよ」と店主の伊藤さん。店内にはヨーロッパやアフリカなど20か国以上、日本各地から集められたかごが一堂に会していて、色んな国でそれぞれ独自のかご文化が広がっていたんだと想像するとロマンがあって、選ぶのに時間がかかります。

”上/コースターや鍋敷きなども。値札には「リトアニア/willow」など、生産地と素材も書かれていました。
左下/ひとつひとつ見ていくとあっという間に時間が過ぎていきます。
右下/存在感のある円形のものはすべてリース。お部屋のアクセントになりそう♪”
世界のかご カゴアミドリ
東京都国立市西2-19-2 第一村上ビル2F
☎︎042・505・6563
営業時間
10:30~17:00
定休日 月火
http://kagoami.com

🐾

国立駅からだいぶ離れたところまで来てしまったので、駅の方へ戻ることに。国立市は、ドイツの学園都市「ゲッティンゲン」をモデルに街づくりがされていて、区画整理された左右対称の道が特徴。さきほどの富士見通りをまっすぐ戻れば早いのですが、せっかくのおさんぽなのでちょっと遠回り♪ 一本脇道に入ると、両側には別々の学校が。文教地区だけあって、本当に学校だらけ。

”右は“国立音楽大学附属中学校・高等学校”、左は市立の小学校でした。ちなみに正式名称は“国立市立国立第二小学校”。つい、“こくりつしりつこくりつ”と読んでしまいそうです(笑)。”
”お店でもなんでもない、電柱があるだけのただの曲がり角にもお花が植えられていてかわいい♡”

絵になる美しいカフェ「circus」で、上質ランチ

住宅街を進み、富士見通りまで戻ってきたら今度は北に曲がります。線路の高架下が見えてきたのでそのまま北口に出ようと思ったら、少し手前に素敵なカフェが見えてきました。歩き疲れたので一休みがてら入ってみることに。

奥の厨房から笑顔で出迎えてくれたのは店主のセキグチテルヨさん。彼女が作る旬の食材を使ったお惣菜ランチやアジアご飯を求めて、遠方からくるお客様も多いよう。

”藍色の壁は、映画にでも出てきそうな素敵な雰囲気!”

店内はアンティークを織り交ぜたインテリアに少し暗めの照明と、とってもおしゃれ。静かなひとときが過ごせる、隠れ家のようなカフェです。

左上/店主のセキグチテルヨさんはとっても穏やかなお人柄。料理本も出されています。
右上/窓際の席は自分だけの世界にひたれそう。
左下/壁にあった謎の扉。思わず開けてみると…。
右下/小さなお人形に、くすりとしてしまうメッセージが添えられていました!

お昼時だったので、評判のランチを食べていくことに。お食事のメニューの中から注文したのは「茹で鶏のフォー(税込950円)」。

”茹で鶏のフォーには小鉢、ピクルス、薬味がついて色鮮やか~!”

鶏の旨味がきいた味わい深いスープに、絶品の小鉢と、カフェとは思えない食事レベルの高さに驚き! 浅草のパン屋さん「ペリカン」のトーストが食べられるセットも人気だそう。

circus
東京都国立市中1-1-17セントラルハイツ106
☎︎080・8161・9889
営業時間
12:00~21:00(お食事L.O.20:00/お飲み物・おやつL.O.20:30)
定休日 火水
 http://twilight-circus.com/

🐾

”「circus」と同じ建物の1軒先には「植物と古道具plan」というお店がありました。変わった形のグリーンに目を奪われます。”

カフェを出て高架下をくぐり、北口に出てきました。線路沿いの道を歩いていきます。

”左上/高架下も緑の生垣があり、すっきりと明るい雰囲気。
右上/北口からすぐの場所に自転車のレンタルがありました。まだまだ行きたいお店があったので、これは便利かも~!
下左・下右/“ポッポみち”というかわいらしい名前のついた遊歩道を発見!かつてこの場所には線路があったそうで、その面影が残っています。”

5駅に戻る前に立ち寄りたい、手仕事への愛が詰まった「黄色い鳥器店」

駅までもうすぐというところで、ふと見上げるとある建物に鳥の絵が描かれたかわいい看板。どうやら雑貨屋さんのようです。

”看板一つで、素敵なお店への期待が高まります!”

階段を登ると、大きな窓から差し込む光と風が心地よい店内。手作りの器や雑貨がずらりと揃っていました。

”高価な作品だけでなく、ちょっとした雑貨もあるのでプレゼントにもピッタリ。”

「まだあまり世の中に出ていない作家の作品をたくさんの人に紹介したい」と、店主の高橋さん。各地の窯元や工房を訪ねて集めたという器や雑貨。商品ひとつひとつを丁寧に説明してくれます。資料も見ずに即答できるなんて、それだけ一つ一つに思い入れがあるということですよね。

”左上/木工作家宮内知子さんの漆を使った木のプレートなど、朝食タイムにぴったりのお皿が並ぶコーナー。
右上/組み合わせると魅力がひきたつ! 丸い匙(税込2500円)とグラス(税込2700円)。
左下/白樺の木で作られた、「春原(すのはら)さんの鳩ぽっぽ」。鳩の尾っぽがスプーンの柄になっていてかわいい!
右下/「ゆっくりしていって」と、カウンターキッチンでお茶を入れてくださる店主の高橋さん。”

普段使いのものも沢山あるので、ぜひ足を運んでみてください。

黄色い鳥器店
東京都国立市北1-12-2・2F
☎︎042・537・8502
営業時間
12:00~19:00
定休日 月火
http://kiiroi-tori.com/

*****

「黄色い鳥器店」を出て線路沿いを3分ほど歩いたら、「国立駅」北口に到着。これにて今日のおさんぽは終了です。取材中には店主の方に「あそこのお店は行った? 行ってみて」と声をかけてもらうことも。小さな個人経営のお店が多く、店同士が仲良くつながっているというところも、上品なのにどこか開放的な国立のイメージにぴったりだなと思いました。ぜひ、休日には足を伸ばして「国立」までプチトリップしてみてくださいね。

おさんぽのおさらい

国立駅南口→①一橋大学 国立キャンパス→②甘味ゆい→③世界のかご カゴアミドリ→④circus→⑤黄色い鳥器店→国立駅北口

行程:3.9km
歩数:5,284歩
所要時間:48分+お茶、ランチ、お買い物
予算:4,000円

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さんぽに行ったライター

世田谷区在住、雑誌やWEBのライターをしている3児のママです。趣味は評判のパン屋さんやカフェを求めて、わざわざ遠出すること。こじんまりとした居心地の良いお店を探しながら日々おさんぽをしています。